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「始末書」の落とし穴

 先日、お客様から頂いた相談です。

 ある時期から遅刻を繰り返すようになった従業員がおり、口頭での注意を何度かしたのだけれども改まらなかったので、就業規則に則って懲戒処分とすることにしました。これまでは特に勤務態度も悪くなかったので譴責処分とし、規則には書いてありませんが「始末書」を提出するように伝えました。

 ところが期限の1週間を過ぎても提出してこなかったので再度期限を決めて提出するように催促しましたが出してきません。会社としてはこの従業員には勤務態度さえ改めてもらえればというつもりで懲戒処分の中では軽い処分としたかったのですが、口頭で何度も注意しても改まらず、始末書を要求してもこれも全然出してこないと言う態度だったので、いよいよ腹に据えかねて解雇としたいと考えています。

 つまり事実としては「始末書」不提出による解雇という事のようですが、これは出来ません。そもそも「始末書」というのは、その提出を命令することは出来ません。もともと命令できないものですから、提出してこないからといって解雇というのはもちろん出来ませんよね。

 一般的に懲戒処分とするとき「始末書を書け」というのはよくあることですが、命令は出来ないということを知っておいてください。またこの場合、遅刻が多いことに対して懲戒をするのであって、始末書を出してこないからさらに懲戒するということは出来ません。

 この場合は「始末書」ではなく「報告書」あるいは「顛末書」という形で出させてください。これであれば業務命令として命令できますから、提出してこなければ業務命令違反ということになります。

 ただこれだけではやはり解雇とすることは避けておいたほうが良いと思いますが。

(法人コンサルティング部・社会保険労務士 高橋)

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