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就業規則が原因で自動車保険が出なかった!?

 先日、トライアル雇用助成金の申請手続きをお手伝いしている会社さんでこんな話がありました。

社長:「あなた、上野の○○先生って知ってるかい?」
私:「ええ、○○先生ならよく知っていますよ。立派な先生ですよね?」

社長:「いやあ、確かに立派な先生なんだけど、その先生のおかげで、自動車事故で保険が下りなかった事があったんだよ」
私:「えっ?どういうことですか」

 話をよく伺ってみると、その先生とは当時顧問契約をされていたそうなのですが、業務中の自動車事故があった際に就業規則にある一文が抜けていたために、損害保険会社から保険請求が下りなかったらしいんですね。

 どういうことかというと、

①まず会社は業務中に従業員が怪我をして休業した場合、休業補償をしなければなりません(労働基準法第75条)。

②しかし労災保険に加入して、その労災保険から支給がある場合は賃金を支払わないこととする規定を就業規則に定めてあれば、会社は払わなくても よくなるんですね。

③損害保険における休業補償も趣旨は同じで、賃金が不支給となってこそはじめて休業補償が行われます。

④事故が第三者の行為によって起こった場合には、会社が災害補償をする前に自動車保険から給付がされた場合は、会社はその価格の限度において補償すべき義務を免れます。

 今回は就業規則において以下の条文がなかったために、保険会社から「賃金の支払がない旨を定めていないから保険が下りません。ですから労働基準法に基づいて会社で払ってあげてください。」ということになってしまいました。まあ労災は申請して給付がされましたが、せっかく掛けていた自動車保険からは給付されませんでした。

 万が一のために、保険を掛けていても会社規程の定め方によってはこの事例のようなことも起こり得ますので、保険を掛けた際は就業規則等の見直しも避けては通れないですね。

規定例) 第n条 社員が業務上負傷しまたは疾病にかかり休業を要するときは、会社はその期間については公傷休暇を与える。
       2   社員が前項の規定により休暇を与えられたときは、その期間は出勤とみなし、賃金の支払を停止して平均賃金相当額を支給する。

(法人コンサルティング部・社会保険労務士 高橋)

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