大病を患ったある中小企業の社長さん(当時64歳)のお見舞いにうかがったとき、「退院したら相談に乗ってほしい」と言われました。退院後1ヶ月ほどしてお電話があったため訪問したところ、ご相談の内容は次のようなことでした。
「医者から長くて3年」と宣告された。退院後も体調はすぐれず、全面的に会社を退くことに決めた。後継者は長男と決まっているが、昨年あたりから親会社の景気も悪く、当社も影響が出ている。
退職を70歳と決め、退職金目的で保険に加入していたが、残念だが続けられない。しかし個人の保険は葬儀料くらいしか加入しておらず、2~3年の命なら残してやりたいし、何かいい方法はないか・・・
社長さんは3年前、決算時に保障額1億の逓増定期保険に加入し、8年後の退職予定時に解約して生存退職金に充てる予定でした。しかし突然の大病また思いもよらぬ宣告・・・そこで私は次のような提案をしました。
入院が決まってから会社からの給料はストップさせたとのことでしたので、まず当社の社労士を通じて1年6ヶ月支給される「疾病手当金」の手続きをしました。「逓増定期保険」については「コンバージョン」という制度を活用し、10年の定期保険に変更し、さらに個人に契約者を変更しました。この制度を活用したことにより、安い保険料で10年間は1億の保障が得られたと喜ばれました。
その後、この社長さんは医者の診断通り、2年8ヶ月で他界なさいましたが、最愛のパートナーである奥様にはせめて経済面での愛情が残せたと思います。現在奥様は社長さんと暮らされた家を長男家族に譲り、2LDKのマンションを購入し、ときどきお孫さんたちと食事をしたり、お友達と旅行へ行ったり、老後を楽しまれているそうです。
○コンバージョンとは
取扱い条件を満たせば現在加入している保険契約を審査なしで、他の保険種類に切り換えることができる制度。
(法人コンサルティング部 伊東)






