先日保険診断をさせていただいたある法人でのお話です。
本社と工場が数ヶ所あったので、契約中の火災保険証券を整理し、保険の対象物のチェックをしました。保険の対象になっているのは、建物、什器・備品、設備、機械、原材料・半製品・商品でした。
また契約している補償額の基準が全て時価基準になっていたため、その旨をお知らせし、事故の際、自己負担が発生してしまう恐れがあることを告知しました。
お客様は「キチンと保険は掛けているつもり」と言っていましたが、「自己負担の有無を念のため確認してみましょう」と提案し資産台帳をお預かりし、①取得価格を基に簡易評価をしてみました。
評価の結果、やはり時価を上回る補償(超過保険)と下回る補償金額(一部保険)が散見され、全面的な評価の見直しと保険の加入方法の見直しを提案しました。
ここで注意しなければならないのは、火災保険を考える場合の「補償の金額」を②「新価額」「再調達価額」基準にするのか、③「時価額」基準にするのかを明確に決めることです。
②「新価」「再調達価額」の場合、わかり易く表現すると、
・新価=同じ物を新しく調達するのに必要な価値基準→自己負担が発生しない
③「時価」の場合には
・時価=現在の資産の価値→自己負担発生
このことを理解した上で、万一事故が発生した場合のダメージを考慮し、「新価」「再調達」か「時価」のどちらの基準で保険を考えることが重要です。
また減価償却資産である機械の場合、税法上の帳簿価額であるいわゆる④「簿価」を基に補償が金額を設定していることがあります。
特にこの機械に対して税制上優遇されている法定減価償却(定率法)で契約していることがよく見受けられ、「うちは機械の火災保険は勿論時価ということもわかっているし、キチンと掛けているよ!」ということであっても(定額法)との差が大きいので、特に注意が必要です。
最後にもう一度!
火災保険を掛ける場合、この4つの価額があるということ。そしてしつこい様ですが火災保険を掛ける場合は、自己負担の有り、無しのどちらにするかのをまず決め、それからどの程度の補償をどこの保険会社のどんな種類の保険に加入するかを決めていくという順番になるのです。
(法人コンサルティング部 白銀)






