こんにちは!社労士の吉永です。先日、顧問先からこんな質問を受けました。
「会社のソフトボール大会で社員が大ケガをしてしまったのだけど、労災は適用されますか?」
皆さんはどちらだと思いますか?答えは最後に・・・
この方に限らず、こんな場合は労災になるかという質問はよくいただきます。会社の接待で飲んでいた時に階段から落ちたとか、昼休み中に郵便局に出かけた時に交通事故にあったとか、いろいろなシュチュエーションがあります。
法律論でつまらないかもしれませんが、ちょっと労災認定の基準をお話します。労災認定は「業務遂行性」と「業務起因性」の有無で判断されます。業務遂行性とは会社の指揮・命令のもとであるということ、業務起因性はその災害が業務に原因があるということです。
つまり業務命令により会社の支配下にいることで業務が原因でおこった災害が労災に認定されるということです。かえって混乱させてしまったかもしれないので具体例で説明します。
例1:作業中の労働者がハブに噛まれて負傷した場合(昭27.9.6基災収3026号)
例2:落成式の出席後、泥酔してトラックから転落して死亡した運転手助手(昭24.7.15基災害収入2693)
例1は労災認定され、例2は労災認定されませんでした。どちらも「業務遂行性」はありますが、例2は泥酔することに「業務起因性」が認められないという判断です。作成式の出席は業務ですが、泥酔は業務の範囲を超えているということです。さらに2つ具体例を挙げます。
例3:顔見知りの他人の要望で社用中のトラックの運転をさせておきた事故により負傷したトラック運転手(昭26.4.13基収1497)
例4:社有車の車検検査受検のため検査場へ行き同所のストーブ煙突の取り外し作業を手伝って転落死した場合(昭32.9.17基収4722号)
もう想像がつくかたもいらっしゃると思いますが、例3、例4とも労災認定されませんでした。どちらも業務遂行性は認められますが、知人に運転させたこと、作業を手伝ったことに業務起因性が認められないのが労災認定されなかった要因です。
いろいろなケースで労災かどうか迷うことがあるかもしれませんが、上記の判断で事故を見るとおおよその見当はつくと思います。
さて冒頭のソフトボール大会のケガの件ですが、このソフトボール大会が業務遂行性を満たすためにはその参加者にそのプレイ中の時間に対して賃金が支払われているかどうかが重要です。
休日に大会を行った場合、休日手当てが支払われているか、振替休日が付与されていることが労災認定には必要になります。グランド代を会社が持ったり、賞品を会社が提供したりしたくらいでは業務と認められません。
いろいろお話しましたが、労災か否か微妙なケースは自分で判断を下さず、社労士か労働基準監督署に問い合わせでください。労災隠しなんてことになったら大変ですからね。
(法人コンサルティング部・社会保険労務士 吉永)






