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天災は忘れた頃にやって来る

◆天災とは◆

「天災は忘れた頃にやって来る」
寺田寅彦氏の言葉として有名です(異説もあるそうですが・・・)。

損害保険においても「天災」という言葉は、
非常に重要な意味を持っています。

なぜ重要かと言えば、保険の有免責に関わってくる話だからです。
(簡単に言うと、保険が「出る」か「出ない」か)

しかも普通、「天災」といってイメージする事象と、
保険上の「天災」は必ずしも一致せず、
なおかつ保険の種類によって「天災」の定義が違うことも、
厄介と言えるでしょう。


◆保険における天災の定義◆

保険には火災保険や自動車保険、
賠償責任保険や傷害保険があるわけですが、
この4つの種類の保険全てにおいて、
「天災」として定義されている事象があります。

恐らく読者のみなさんもおわかりになるのではないでしょうか。

そう「地震」です。
もっと言うと「地震、噴火、津波」が該当します。

これらは保険上、「絶対免責」と呼ばれ、
原則、保険で補償されない事象とされています。

むろん保険の種類ごとにその取り扱いは異なり、
火災保険においては居住用建物および居住用建物に収容される
家財を対象として地震保険が存在しますし、
これらに該当しない事務用ビルや工場なども、
地震を補償する特約があります。
※保険会社によっては取り扱わないケースもあります。


傷害保険や自動車保険の車両保険なども、
地震危険を補償する特約が存在します。
※これらも保険会社によって取扱いが異なります。

傷害保険において「天災」と言えば、
「地震、噴火、津波」に完全に限定されており、
一般に「天災」と言われている台風や竜巻、高潮などは、
特約を付けなくても全て補償の対象となるという意味で
「天災」ではありません。

地震が原因でケガをした場合、
(特約を付けていなければ)保険が出ませんが、
台風によって飛んできたものがぶつかってケガをした場合なら、
保険が出るわけです。


◆賠償責任保険と天災◆

さて問題なのは賠償責任保険です。

賠償責任保険とは保険の対象となる人(被保険者)が、
過失(簡単に言うと「うっかり」)によって、
他人にケガをさせたり、他人のものを壊した場合の
「弁償金」を補償する保険です。

このため天災が原因の場合は「不可抗力」となり、
賠償責任が発生しないということが考えられます。

賠償責任が発生しなければ当然保険も対象にならないわけですが、
この問題は大変難しく、今回、詳細は割愛させていただきます。

ただし一概に天災イコール不可抗力ではないことだけは
申し上げておきたいと思います。
とどのつまりはケースバイケースと言えましょう。


賠償責任保険においても
「保険の対象にならない」として定義されている
「天災」があります。

これまでの話と少しだけ違い、
「地震」、「噴火」、「津波」に加えて、
「こう水」も規定されています。

しかしこの「こう水」についても、
「河川、湖沼からあふれた水」であり、
「下水、マンホールからあふれた水」は該当しないことになっています。


◆ぜひ一度、ご加入の保険の確認を◆

日常生活で使っている言葉と保険で使う言葉との間には
結構な開きがあるものです。

加入している保険ごとに、
どの「天災」だったら保険の対象になって、
どの「天災」だと対象にならないのか、
一度確認をしてみてはいかがでしょうか。


◎台風と火災保険(前編:風災)

◎台風と火災保険(後編:水害)

◎雪と火災保険

(法人コンサルティング部 小鳥秀明)

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