保険Q&A

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カテゴリー:002)生命保険編

2007年08月23日

Q.社長の必要保障額はどうやって計算するの?

A.一般的な必要保障額の算出は以下の通りです。

「一般的な必要保障額の算出方法」

一般的に社長の必要保障額(万一の時に必要とする金額)の算出は3つの責任をに対する必要金額によって算出されます。
①従業員への責任 
(一時的な売上の減少発生…従業員の継続的な雇用と給与支給の資金準備)
 計算…年間給与手当÷12×給与保障月額

②取引先・金融機関への責任
("法人の顔"の喪失は取引先への信用を低下…資金繰りの悪化…営業債務や借入金の返済の資金準備)
 計算…(買掛金・支払手形+長・短期借入金)×1.7

③家族に対する責任
(家族の生活資金の確保、相続税の納付、円滑な遺産分割を可能とする役員退職金・弔慰金の資金準備)
 計算…役員退職金+弔慰金
     *役員退職金=役員最終報酬月額×在任年数×功績倍率
     *弔慰金=役員最終報酬月額×弔慰金支払月数(業務中36ヶ月、業務外6ヶ月)

「財務面に問題が発生しないか考慮する」

上記の算出と更にバランスシートの問題を解決できる「利益と現金」はいくら必要なのかも把握しておきます。経営者の多くが、後継者にはキチンとしたかたちで事業を引き継いでもらいたいと考えています。したがって経営者に万一が発生した場合、今後の取引に不利な条件にならないように自己資本比率を改善する為の利益はどの程度必要なのか(算出にあたって総資産を時価で算出し、より現実的な自己資本比率を算出します)また債務超過、累積損失、不良債権等の解消なども視野に入れ保険金額を設定します。

また、借入が多い場合、会社で掛けている保険金が足りない場合も出てくるので、個人名義の生命保険も加入しておくことにより、残された家族の生活の不安も解消できます。

2007年08月24日

Q.会社でかけている生命保険を個人に名義変更する方法と税金は?

A.ケースによってさまざまです。

生命保険契約を移す理由は大きく2つあります。
①保障として残したい(福利目的)…病気やケガで今後の保険加入が難しい身体上の理由
②退職金として…生存退職金の一部(解約返戻金)として役員・従業員へ交付

「契約形態」
  契約者…会社から個人
  被保険者…役員・従業員
  受取人…会社から個人

【会社と個人の税金は】
 会社は資産に計上されていたか否か、有償か無償の譲渡かで経理処理行います。

「資産計上されていない場合」
 <有償で譲渡する場合>
 ・個人...解約返戻金相当額を会社に支払います。個人の課税は発生しません。
 ・会社...受取った金額を雑収入として益金に計上します。
 
 <無償で譲渡する場合> 
 ・個人...退職金の一部として個人が引き継ぐ場合は、解約返戻金相当額が退職所得として所得税・住民税が課税。上記以外場合は賞与となり給与所得。
 ・会社..個人に対して退職金の一部として解約返戻金相当額を支払う。または賞与で支払う。 

「資産計上されている場合」
 <有償で譲渡する場合>
 ・個人...解約返戻金相当額を会社に支払います。個人の課税は発生しません。
 ・会社...今まで資産計上している前払保険料等を取崩し、差額を雑収入として益金に計上します。(解約返戻金相当額の方が少ない場合は、雑損失とします)
 
 <無償で譲渡する場合> 
 ・個人...退職金の一部として個人が引き継ぐ場合は、解約返戻金相当額が退職所得として所得税・住民税が課税。上記以外場合は賞与となり給与所得。
 ・会社...今まで資産計上している前払保険料等を取崩し、個人に対して退職金の一部として解約返戻金相当額を支払う。


【保険種類を変更...コンバージョン】
   コンバージョンとは・・・条件を満たせば、現在の契約内容を医的査定なしで他の保険に切り換える制度

例えばこんなケース
 ・退職金の一部として...。しかし保険期間があと5年で切れてしまう?
  (保険期間を終身に~定期保険から終身保険に切り換える)
 ・今まで業績が思わしくなかったので、1年更新型に加入。業績が上向いてきたので退職金準備を検討。
  しかし体況上、新規の保険加入が難しい?
  (保険期間を100歳ぐらいの長期定期保険に加入。退職金準備が可能に)

<主な条件>
 ・コンバージョンの前後2年間は現状契約の有効期間があること。
 ・現状契約が失効していないこと。
 ・現状契約が失効していないこと。 
  など
  他にも保険会社ごとにコンバージョンの可否や可能な保険種類など条件が違っています。
  保険会社や代理店にご相談してください。

2007年08月28日

Q.法人が役員に掛ける医療保険のメリット・デメリットは?

A.限度額があるので注意が必要です。

法人が契約者・給付金の受取人、役員が被保険者となっている医療保障の契約の場合、
メリットとして、
 ・役員が入院等により就業不能時の売上減少や固定費支払いの補填になる
 ・役員自身の見舞金の支払い原資になる

デメリットとして、
 ・役員の見舞金の支払いにあって限度額があるので注意が必要
などが挙げられます。

例えば、入院日額2万円給付の医療保険の契約で、30日間入院・手術を受けた場合。
入院日額2万円×30日+手術給付金80万円=140万円・・・見舞金として支払いは可能でしょうか?
答えはNO!です。

見舞金規程の金額を問わず、役員が受取る社会通念上相当であると認められる見舞金の額は、入院一回当たり5万円(H14.6.13裁決)と認められた判例を参考に、当該金額を上回っている部分の金額は同役員に対して給与を支給したと同様の経済的効果をもたらすものというべきものであり、同役員に対する賞与に該当することになります。 

したがって法人が受取る入院給付金額(雑収入)の目的を明確にし加入する必要があります。ちなみに個人契約における個人が受取る入院給付金は非課税扱いとなります(所基通9-21)。

2007年08月29日

Q.役員退職金の算出根拠は?

A.損金算入が認められる額が目安となります。

役員退職金は退職者への企業への貢献に報いる性格のものであるので、支払い時の損金算入額を気にしなければ支払う退職金額は自由です。しかし損金算入が認められる額を役員退職金の支給額(上限)とする考え方が一般的で、次の計算式が広く用いられています。

「役員退職時最終報酬月額×役員在任年数×功績倍率」(ex.社長3、専務1.5、取締役1.0)。または各役職(取締役→専務→社長)での在任年数に応じて決定することや「単価×役員在任年数×功績倍率」ことも可能。役員報酬を下げ気味のオーナー企業では単価を「在任中の最高報酬」と明記するのもいいでしょう。

2007年08月30日

Q.役員退職金を積み立てるのは資産型?損金型?

A.適正な退職金を支払う際の税務から考えるとよいでしょう。

支給退職金額=損金算入であること
高額な役員退職金の財源をどこから用意するかによって、会社が受ける影響について検証する。

支給方法① 「資産」を取り崩して支給
●退職金支給による損金算入額の穴埋めができないので利益がトントンの年度で退職支給を実行し、会計上赤字決算になるケースがある。
●有税ではあるが事前に役員退職金引当金を負債に計上しておくことで、退職金支給時に会計上の利益を確保しすることが可能になる。(個々に検証が必要)
●退職金準備とは別に「自社株評価減による相続対策」を目的とする場合は有効。

支給方法② 「借入れ」を起こして支給
生産性効果のない負債を抱えることになる。

支給方法③ 「利益」の範囲内で支給
退職金支給が利益圧縮にもつながり効果大。
ただし、「退職時期=利益計上時期」且つ「希望退職金額<利益額」を必ず計画的にできるかどうかが問題。

支給方法④ 「簿外資産」を内部に取り入れて(雑収入)から支給
当期の利益に関わらず支給が出来る。
ただし、いかにして「換金化できる簿外資産」をつくるかどうか

①は資産性の生命保険で積立準備をした場合など、退職金の現金は用意できたが赤字決算は回避できなかったという恐れがある。
有税引当と資産計上型の積み立てをセットで考える。
準備方法は利回りの良い金融商品、または死亡保障準備を兼ね備えた終身保険が適。

②③はその場的であり、事前準備という検討課題から外れる。
経営計画になどより継続的な利益計上体質を作り上げることが必要。

④の準備では生命保険の活用が有効です。
損金算入の保険料負担の一方で解約返戻金が発生(簿外資産)する機能をもつ保険を
活用する。

また現在の利益を将来の退職金準備に繰り延べる方法としても有効。
役員退職金準備には適格年金や中退金のような制度はなく。自己積立で準備をしなければなりません。保険会社が提案する商品は保険会社毎に提案したい商品が違ってきますので比較検討が必要です。
その際、保険種類による経理処理の違いに注意してください。
また役員の年齢、従業員の年齢・男女別構成、定職率、解約返戻金活用時期、自社株対策の有無などの条件により採用する保険種類の選択が変わってきます。

2007年08月31日

Q.役員退職金規程は必要か?

A.税法と商法とトラブル回避の観点から役員退職金規程は必要です。

役員退職金は規程がないと税法上否認される可能性があります。商法的には役員退職金の金額決定は原則株主総会の決議事項ですが、規定があれば金額決定を取締役会へ一任することが可能になります。そのほか名前を借りた非常勤役員が退職金を要求したり、客をもって独立した役員が退職金を要求したりした場合など退職時のトラブル防止の意味を持ちます。

H23.7月13日現在の税制に基づく一般的な取扱について記載しています。
税務上の取扱が税制改正などで変更になることがありますのでご注意下さい。
また、個別の取扱等につきましては、所轄の税務署等にご相談下さい。

2007年09月03日

Q.役員退職金を分割で10年間支払いたいと思うが、法人および個人の税金は?

法人は未払い金を立てた時点で損金算入できます。

退職金額を確定し、分割支払いのスケジュールを立てれば「未払い金」扱いで分割支給は可能です。税金面では法人は未払い金を立てた時点で損金算入できますが、受取る個人としては、初年度のみ退職所得控除の優遇税制が受けられ、その後は雑所得として毎年確定申告を必要とします。

受取る退職金に関わる税金は在任30年の方の場合、1500万円までは非課税。これを超過した額も1/2に分離課税されます。

H23.7月13日現在の税制に基づく一般的な取扱について記載しています。
税務上の取扱が税制改正などで変更になることがありますのでご注意下さい。
また、個別の取扱等につきましては、所轄の税務署等にご相談下さい。

2007年09月04日

Q.中小企業の従業員退職金制度見直しでしてはいけないことはなに?

A.労務トラブル防止の点から「不利益変更」に注意を払いましょう。

法律上は退職時までは社員の権利とはなっていないとはいえ、規程を改定する時点の従業員が持つ既得権は確保する方がよいでしょう。

また「退職金制度のあり方」について経営者の考えを整理することが重要です。退職金を積み立てる商品を右から左へ移すだけでは、退職金制度を見直したことにはなりません。

2007年09月05日

Q.適格年金に代わる退職金準備方法は何があるの?

A.将来の退職金制度を見据えて慎重に選択する必要があります。

「適格年金」を解約すると積立金が各従業員個人の口座に振り込まれます。振り込まれた側の従業員はそれぞれ一時所得の確定申告をする必要があります。

または現在の積立金に課税されることなく、別の商品に移せるものが指定されています。
・規約型企業年金
・厚生年金基金
・確定拠出年金(401k)
・中退金

2007年09月07日

Q.これからの退職金準備方法は?

A.次のポイントを考えるとよいでしょう。

<必要性>そもそも退職金制度は必要なのだろうか?
 例えば、退職金はやめて、賃金の上乗せにしたら
 例えば、引退後は生活費の補助として退職金は持たしてあげたい

<資金繰り >退職金積立ての負担は、今後も資金繰りに影響はないだろうか?
 40年勤めた社員に1,000万の退職金を約束したら・・・
・5.5%で運用できれば ⇒ 会社の負担 300万+利息 700万
・0.5%で運用できれば ⇒ 会社の負担 950万+利息 50万
 
<債務責任>退職金積立負担は将来に渡って会社の責任として持ち続けられるのだろうか?
 退職金支給額を約束している場合のリスク=会社の債務

<運用商品>今の退職金積立の商品は会社に合っているのだろうか?
・将来の支給金額を約束・・・適格年金
・月々の掛金を約束・・・中退金・特退共・確定拠出年金(401k)
・折衷型(会社に積立金が入る)養老保険・その他生命保険・定期積立

<支給金額>今の退職金支給額は妥当なのだろうか?
・よそと比べて・・・
・社長の気持ちとして・・・

<規程>退職金規程に問題はないだろうか?
 社長の考えは反映されていますか?

<不利益変更>不利益変更にならないように、制度を見直せるのだろうか?
・既存分については社員は権利取得
・将来分については見直し可能

<他の負担増>経営者の意に反してコスト負担増になる恐れのあるものはないだろうか?
・退職金 ⇒景気が良い時に負担が楽になり、景気が悪い時に負担が増す
・年金基金 ⇒基金の積立不足分を加入企業へ負担転嫁=法律化